登場人物一覧
鬼殺隊 過去最強の柱達①
【登場人物一覧:鬼殺隊 過去最強の柱達】
・継国(つぎくに)縁壱(よりいち):日柱(ひばしら)
春野宮を鬼狩りの里へ連れてきた張本人。春野宮曰く、日の神様。
鬼狩り最強の柱達の筆頭で、人望も厚い。
備前国(びぜんのくに)へ己の日輪刀を取りに行った帰り道、任務で寄った先で、兄・巌勝を助け十年ぶりに再会した。兄とは里で、他愛ない日々を過ごすこともあったが、最後まで解り合うことは出来なかった。一方で、春野宮とは日増しに距離を縮め、己の心情を吐露するまでに親しくなった。
春野宮が比叡(ひえい)へ出陣の際には余程心配だったらしく、傍にいられないことを嘆きもし出立まで見送る。里での最後の春には互いに想いを通わせもしたが、それ以上、踏み込むことは無かった。
春野宮の『空の力』についても、山城国(やましろのくに)にて知ることになったが、生前、そのことについて話す機会は終ぞ得なかった。
だが、無惨を討ち取れず、兄・巌勝が鬼となって、初めて、縁壱は、春野宮が一人、守ろうとしたもの、その真意(心)を汲み取る。
想い出の場所で決意した縁壱の刃は、もう、迷わなかった。
・継国巌勝(巌勝):宵柱(よいばしら)
野営していたところを鬼に襲われ、縁壱に助けられ鬼狩りとなった。
義政・春野宮と共に初陣(ういじん)を果たしてより、二人には心を開いた。特に義政に対しては、寛容さばかりでなく、無事を気遣うようにもなった。春野宮についても自身を預けられるほど信頼しており、それは、弓を選んだ逆境に折れることなく、少年が、直向きに走り続けたからだと思われる。
階級制度が出来てより参加した鬼狩りとしては、異例の速さで柱となった。心にあるのは常に「剣の道」であり、「命」を尊ぶ縁壱とは始終意見が合うことはなく、袂を分かつ。その双子のやり取りは、唯一、双子の間に「柱としては」距離を等しく保った春野宮ですら、直接聞くことは叶わなかった。
『空の力』により春野宮が、己が鬼となる未来を予見した事実を知らぬが故に、巌勝は、常に少年の行く道を阻む大きな壁となった。だが、少年が守り通した「巌勝の人としての尊厳」は、鬼となった彼の心にも届いたようだ。
春野宮が死の間際、誰より彼のことを想い願った未来は、縁壱が叶えたのだった。
・三条(さんじょう)春野宮天晴(たかはる):昇柱(のぼりばしら)
元服(げんぷく)を迎えた祝いの日、姉・昴(すばる)を殺され縁壱に助けられ、鬼狩りとなった。
里では一番若い柱となったが、確実に実績を積み重ね、里へ来て参年目には『昇麾下(きか)』も誕生した。胸に宿る峻烈な想いと覚悟は、一般隊士達を寄せ付けることは無かったようだが、弓を通しての配下・市松(いちまつ)達との交流は濃密だったようだ。少年の「人としての尊厳・矜持」は遺言として市松らの胸に深く刺さり、それはやがて、大正の柱達にも受け継がれていった。
比叡での戦いにおいて翁を失い、自らも痣を発現させては「変えられぬ未来」を知った。だが、彼はその道から終始逃げることはなく、己の選んだ道と、双子のために命を捧げた。
悲愴な覚悟は最後の最後で個人的な想い故に選択を誤ったが、双子にとってはそれが正しい道だったようだ。死の間際願った想いは縁壱によって受け継がれ、巌勝の心には確と届き、春野宮は、その生を全うした。
・煉獄(れんごく)惣寿郎(そうじゅろう):炎柱(えんばしら)
鬼狩り最強の柱達を実質取り纏める頭(かしら)。実戦においては縁壱に劣り任せているが、里全体は彼の管轄下にある。常に当主・産屋敷(うぶやしき)昌輝(まさてる)の意向と里全体のことを考えて行動しており、炎麾下も、警邏隊(けいらたい)的な役割を果たしていることに誇りがあるようだ。
隊士の鬼化・空里への移動と危機的状況にあっては多少、自身の混乱もあったようだが、鬼狩り達に対しては、統率力を遺憾なく発揮した。里が一糸乱れぬ纏まりを見せたのは、惣寿郎の普段の言動が如何に的確で指導力に長けていたかを示すものであったろう。
唯一、巌勝の裏切り、春野宮の選択によって、里は、壊滅的な被害を被った。最後の戦いの折りにも的確に状況を把握し、被害は柱二人・当代の産屋敷一族のみと最小限に留めた。しかし、かつての仲間が鬼となっては京(みやこ)に留まることも出来ず、鬼狩りの里は、武蔵国(むさしのくに)へと密かに移動した。
その後、柱達がかつての仲間、巌勝の手により次々と討ち取られていくのを、どんな思いで耐えていたかは…定かではない。
故郷である愛宕(あたご)には一人息子の剡寿丸(えんじゅまる)もいたが、その後一族との関わりはどうなったのか、幼い一人息子がどのような顛末を迎えたのかは、分からないままだ。