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登場人物一覧

春野宮の一族

【三条宗家:石清水(いわしみず)八幡宮(はちまんぐう)祭祀(さいし)】


・当主:三条允実(まさざね)

・三条昴(すばる):春野宮の実姉。

 春野宮の心と成長に深く関与した麗人。少年の全てだった。

 摂津国の細川照顕に望まれて嫁いだが、春野宮の元服の祝いの日、山城国へ帰郷。それが、運命(さだめ)の日となった。

 春野宮が明日よりは父と仰ぐ、武家三条の当主、三条行実(ゆきざね)を庇って死す。



・嫡男(ちゃくなん):三条実則(さねつね)


 凡人。当主の器にあらずと、その座を弟に奪われた。



・次男:三条実紀(さねのり)


 宗家に伝わる『夢見』の力が発現。嫡男を権力の座から引きずり下ろし、次期当主に収まった。

 春野宮が鬼狩りとなって丸二年過ぎた秋、暁の侍・継国縁壱と山城国で再会する。尤も見知っていたのは遠巻きにあの時の様子を見ていた実紀だけであり、縁壱にとっては初見であった。

 春野宮を気遣う姿勢や一族に伝わる力から、縁壱は、三条一門の在り方と実紀の真意に気付いたようだが、互いにそれを話すことはなく別れた。

 本来の彼はとても穏やかで思慮深く、弓矢でこそ春野宮の腕に劣るが、時に周りが見えなくなる彼とは違い、いつでも冷静で分析能力に長けているようだ。一族に伝わる『夢見』の力を現実に存分に活かせるのは、実紀の方だと思われる。その最たる結果が、身内に死人を出さず自らが当主に収まったことであるだろう。



・三男:三条晴信(はるのぶ)


 側室、風花(かざは)の君の子。

 春野宮、昴と同腹。



・四男:三条公允(きみまさ)


 春野宮、昴とは別腹の子(もう一人の側室)。



・奥の院の巫女:水埜宮(みずのみや)


 春野宮の道を照らす一人。強い『夢見』の力を持ち、奥の院を任されている。

 昴の運命の日に当たっては、庵に「泊まっていかないか」と声を掛け、春野宮もようやくそのことに、目を向けられるようになった。

 山城国を訪れた縁壱には当時のことを全て話し、春野宮の苦悩の原因を知るきっかけを与えた。これがどう、春野宮と縁壱、巌勝の未来に作用するかは、水埜宮のみぞ知る…。



【武家三条】


・当主:三条行実(ゆきざね)


 春野宮の養子縁組を心待ちにし、全てを任せるつもりで準備してきた。が、昴の死にあって、縁壱に春野宮を奪われる。

 憎しさ余って鬼狩りを『侍崩れ』と言い放った。



【摂津国:細川家】


・当主:細川照顕(てるあき)


 昴の嫁ぎ先。愛し愛されこのご時世にあって、幸せだったようだ。

 鬼と面しては怯まず昴のために抜刀したが、仇を討ったのは縁壱だった。

 昴を失った後は堕落し、一族を纏める吸引力は急速に衰えたようだ。結果、細川家は分裂し内紛を招き、家臣団は散り散りとなった。波々伯部梗岢はその時の、家臣・波々伯部一門の生き残りである。平和な世にあっては平凡な人物であったろうが、鬼狩りとしては有能な人材へと成長していった。

 細川家からは、そう言った類い希な人材が流れ流れてしまったようだ。

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