現世と幽世について
この世界の理(ことわり)
合わせ鏡のようなもの。
死者は大抵地獄行きではあるが、罪の重さに比例した年月を償うことで、天へと昇る者は結構多いようだ。但し、その時にも閻魔の決裁が必要。
閻魔は現世にいる各地域の死渡の統括選任者でもある。死渡に選ばれた者は前世の記憶を持つようだが、選定は閻魔の気分次第なようだ。
幽世が示す現世は呼び方がかなり異なる。
縁壱達は、幽世の呼び方を好んで用いている様子。
現世では都道府県及び地域が別れているが、幽世では、北から順に、
・蝦夷(えぞ)地方(現・北海道)
アイヌ一族が統治。
・遠野(とおの)地方(現・東北)
藤原一族が統治。
・産屋敷(うぶやしき)地方(現・関東及び甲斐(かい)、南信、静岡は遠江(とおとうみ)まで)
産屋敷一族が統治。
・射水(いみず)地方(現・北陸)
三条一族が統治。
・継国地方(現中部・北信・静岡は三河(みかわ)のみ・近畿は京(みやこ)地方を除く)
継国一族が統治。
・京地方(山城(やましろ)・丹波(たんば)・丹後(たんご)・摂津(せっつ)・播磨(はりま)辺り)
貴船一族が統治。
・出雲地方(播磨などを除く中国地方)
平家が統治。
・金比羅(こんぴら)地方(四国)
金比羅一族が統治。
・高千穂(たかちほ)地方(九州)
霧島一族が統治。
・琉球(りゅうきゅう)地方(沖縄)
尚(しょう)一族が統治。
なお、東日本は産屋敷一族の勢力が強く、西日本は貴船一族の勢力が強く、それぞれを統轄していると自他共に認めている。
東日本では、蝦夷のアイヌ一族は産屋敷統治を拒み続けている。独自の文化が発展し、幽世への渡り方が独特。それは琉球にも言えるようだが…。
また、西日本内でも、京地方と出雲地方は険悪なようだ。平一族が幽世の呼称に倣わず、『平家』と堂々と名乗っていることも、全国及び幽世の閻魔にまで知れ渡っている。
近年では継国が勢力を伸ばしてきており、彼らが京に着いたことを宣言したことで、西日本の勢力は東日本の勢力を上回った。また、西日本での貴船の地盤は一気に堅固(かた)くなり、西日本では一番の領土を誇る。継国の双子の間では、産屋敷一族に対して見解が分かれているようだ。
縁壱は、産屋敷一族のことも平一族のことも別段何とも思っていない。巌勝の方が産屋敷一族とはあまり関わりたくはないようで、弟の縁壱は、現状、兄・巌勝の意思を尊重している。
話数が進むにつれ、内容は変化していきます♪