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​登場人物一覧

第七話掲載完了時点


・継国神社・

・継国縁壱(よりいち):巌勝(みちかつ)の双子の弟

 神主。継国地方の死渡(しと)の一人。躑躅(き)の宮(みや)(=生宮)の防人(さきもり)。継国地方の死渡統括者。

 浄化の力の持ち主。幽体(ゆうたい)をヒノカミ神楽(かぐら)で幽世(かくりよ)へと送るのが得意。幽体を視ることができなかった彼だが、兄のこれまでの言動に裏打ちされた想いを信じたことにより徐々に見え始め、覚醒の時を迎えようとしている。

 縁壱は、京(みやこ)の舞姫には無い「剣技」がある。それは現世(げんせ)では、ヒノカミ神楽として継国神社に伝承され遺されている物ではあるが、巌勝の見立てでは、これが、「現世(うつしよ)」の頂点に君臨する現・京の舞姫に代わる実力の一つと考えられている。

 とある事件で痣(あざ)を発現させてしまった縁壱は、兄に貰った言葉を信じ、現実を受け止めつつあるが、果たして本心は……。

・胡蝶カナエ:しのぶの姉

 巫女見習い。縁壱曰く浄化の力があるようで、幽体に対して敏感。過去の事件では、その身を乗っ取られ怪奇に巻き込まれることもあった。

 現時点では、幽体に対しては受け止めることしかできず、それは、巌勝が幽体と会話をする退魔(たいま)の力に通ずるようでもあるが、詳細は不明。

 ただ、とある事件を通して継国の山神様からは気に入られていることが明確となり、お社(やしろ)が何故、姉妹によって普段浄化されているのか要因も分かった。彼女の身を思っては、縁壱の心配はますます大きくなるばかりだが、当の本人は自覚がない。

 そのため呑気に進路悩み中。家は開業医だが、継国神社での巫女としての業務に誇りを抱きつつある。

・胡蝶しのぶ:カナエの妹。大正時代の鬼殺隊の柱

 巫女見習い。その力は未知数。姉が怪奇に襲われ窮地の時には、人間業とは思えぬ速さで疾走し、片鱗を見せた。継国兄弟がそれを言及することはその時点ではなかったが、せっかく「継国の巫女にならないか」と暗にスカウトした巌勝も、累(るい)の登場で、大正の柱――蟲柱・胡蝶しのぶであったことを知ってしまった。

 彼女がそれを自覚している様子はまだないようだが、気付いた巌勝は、警戒をし始めたかもしれない。彼女に自身の想い人を話したことについては、まだ深くは考えていないようだが、柱であった過去が吉と出るか凶と出るかは今は分からず、彼女自身が過去を思い出してはいない以上、巌勝は、縁壱にも、正体を話してはいない。

 姉同様、進路悩み中。

 姉と異なるのは、継国様から直接彼女が祝福を受けることは、まだない、と言うことだ。

 過去の事件では、継国山で見かけた青年に懐かしい気配を感じ、二人の間に渡った美しい景色に、再会を願うようだが…。

・継国様:

 継国地方一帯の神々を治める長。継国の双子、特に縁壱が大好きで、ちょっかいを出したくて仕方がないようだ。

 継国の巫女となり得る存在、胡蝶姉妹の姉・カナエにも執心で、神の祝福を直接分け与えるほど。とかく純粋な二人に対しては、神らしい微笑みを投げかけている(但し縁壱からは毎回ひどいツッコミを受けている模様)。

 一方、巌勝に対してはわりと現実的なものの見方とその能力を買っているようで、京の舞姫についても手綱をきちんと持っておくべしと注意した。分からないのはしのぶに対してであり、互いになんのリアクションも取ってはいない。

 継国地方では頂点に立つ神であるが、それが全国規模で言ったらどんな神、地位に値するのか、謎である。

 なお、身体のつくりは男性の様子だが、喋りや色香は女性のそれで、見た目と中身が一致しているのかも分からない。

・桜町(さくらまち)在住・

・継国巌勝:縁壱の双子の兄

 古書堂の店主。普段は桜町で、神社及びそれに付随する経営の一切を管理している裏方。

 継国地方の死渡の一人。椿(し)の宮(=死宮)の狩人(もりびと)。

 退魔の力の持ち主。幽体を成仏する手助けをしているが、今までは、あくまで成り行き上であった。縁壱ほどの力は持っておらず、今も昔も弟には敵わないことを知りつつ、現世では、その想いをきちんと昇華し違う未来を引き寄せた。自身でも分かるほど想い人の存在は大きく、唯一無二の存在である様子。だが、出雲の素戔嗚尊の動向を知って、穏やかではないようだ。

 直近の事件ではいよいよ手元に刀のないことが、痛烈に影響した。刀を探しに行くことについては縁壱とは意見が全く噛み合っていなかったが、そろそろ本気で考える…かも知れない。

 累の登場によって、大きく心を動かされる事態に直面したものの、想い人の存在と、持ち前の胆力ですぐに自ら答えを導き出した。

 願うのは縁壱の幸せと、想い人との未来。

 彼が平穏を手に入れることは、叶うのだろうか。

・悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい):

 桜町署の刑事。何かと継国兄弟の騒動に巻き込まれる。お蔭で県内トップクラスの検挙率、未然防止等、敏腕刑事の仲間入りを果たしているが、その原因と結果は理解しており常に頭が痛いようだ。

 継国神社に関わる刑事はどの神主(世代)にもいたと知ってからは、一層双子のことを意識し始めた様子。自分がどうして彼らと行動を共にせねばならないのか、それは何某かの「縁」があるのだろうと自覚した。

 相変わらず、地方の一刑事から県警の刑事に成り上がろうとは考えていないようで、なんやかやと双子を手助けしている縁の下の力持ち。

 ただ、しのぶの前世を知った巌勝からは、いずれ、自分を裏切るのではないかと思われている。しかしながら、刑事である行冥が、果たして前世を思い出すことなどあるのか、それすら今は、全くの謎だ。

・不死川玄弥(しなずがわげんや):

 桜町署の刑事。行冥の後輩。行冥の相棒になってよりこの方、継国兄弟の不思議な出来事に巻き込まれつつある。

 刑事の勘は行冥より鋭く、事件を未然に防ぐ察知能力がある様子。未解決だったバラバラ事件の解決の糸口となった件にもたまたま居合わせ、積極的にハンドルを切っていった。

 行冥が出世できることを誰より喜んでおり応援しているが、自分にも県警の知り合い・友人ができ、嬉しかったようだ。その際の縁壱との会話では、射撃の腕前は警察学校首席で卒業という事実も露わになった。

・新胡桃市(しんくるみし)在住・

・累:下弦の伍

 手鞠唄の子供。継国の死渡、案内人の代行者。

 本来の案内人は朱紗丸だったが、幼すぎるため、転生してそれなりの歳になるまで代行することになった。当然、閻魔とのその契約には累側にもメリットがあり、転生したのちは、地獄で知り合った友人、矢琶羽・朱紗丸ともしっかり出会えるよう手配しようと約束され、半分は叶った。

 矢琶羽を通して巌勝とも知り合えた累は、しかし、継国神社でしのぶと出会う。彼女が自分のことに気付く様子はなかったが、彼女らと親しげに言葉を交わす双子には、複雑な思いは拭えないようだ。

 唯一、同じ鬼であり前世の記憶がある巌勝には前世のことを話したが、それは巌勝にも負の影響を与え、とある決意をさせることに。平和であった双子の周りに、変化をもたらす存在となってしまった。

 案内人の力を持つ少年は憂世にも出入りが可能なようだが、接触していた者は、一体…。

・時透有一郎(ときとうゆういちろう)&無一郎(むいちろう):時透兄弟

 継国の双子と縁あって、風前の灯火であった、兄の有一郎の病による寿命は延命された。

 巌勝曰く、この双子とはまた逢う気がするとのことだが…。

・神々廻双雲(ししばそううん):

 桜町署の元刑事。引退後は新胡桃市の街外れで子供達相手に書道教室を開いている。

 双子の父・勝家(かついえ)とは親友であったようで、継国神社に関わる不可思議な事件ではタッグを組んでいたようだ。勝家のことを「勝ちゃん」と呼ぶ彼には、さすがの双子も瞠目していた様子。

 継国の現・当主、縁壱に対しては申し分のない神主と見定めており、自身と同じようにお社に関わる行冥に対しては、「継国神社に関わる刑事はどの世代にもいる、諦めろ」と快活な笑みを零していた。

 双子にとっては、その名前に、どうやら思うところがあるようだが…。

・霧谷錆兎(きりたにさびと)&真菰(まこも):霧谷兄妹

 県警の若手刑事。とある事件で行冥&玄弥コンビとタッグを組むことになり、以降、交流があるようだ。

 しのぶが気にしている青年とも親しい仲であるらしく、とある事件で彼が巻き込まれた際通報したのは、錆兎であることも判明した。

・京(みやこ)・

・貴船義政(きふねよしまさ):桜海(おうみ)の兄

 巌勝の前世からの親友。京地方の死渡。詳細は未だ不明。

 前世においては戦国最強の柱の一人、風柱だった(『暁闇(ぎょうあん)に落つ』より)。

 現世においては妹と巌勝の仲を心配しており、出雲(いずも)の素戔嗚尊(すさのお)から送られてくる妹宛の恋文に、頭を抱えている様子。なんとしても、追い払いたいようだが…。

・貴船桜海:義政の妹。巫女名(みこな):空明(くうめい)

 巌勝の前世からの想い人(『常闇の雲珠桜』より)。京地方の死渡統括者。

 実権は兄の義政が握っているが、幽世の門番の舞姫としては日本に君臨している存在。

 前世において、死して後は黒死牟(こくしぼう)が地獄へ落ちるまでの四百年、天国にて天女として神に仕えた。その後、羽衣を捨て地獄へ降りる。巌勝が転生できるよう、自ら閻魔(えんま)に身を差し出し、聾唖(ろうあ)になった。

 生まれ変わって後は、死渡に与えられる五つの力全てを行使できる実力があるそうだが、真偽の程は不明。出雲の素戔嗚尊より何度も恋文をもらっているが、それに書かれていたとある一文にこそ、真意があると感じている。

 継国の双子が現世においてわかり合えることを誰よりも望んでおり、巌勝とは、メールでよくやりとりをしているようだ。彼女の言葉だけは巌勝も素直に受け止めることができるようで、幾度となく双子の窮地を救っている。

・矢琶羽(やはば):

 鞍馬(くらま)神社に棄てられていた孤児。神社の孤児院で育ったが、大きくなってからは貴船の巫女、空明こと貴船桜海の付き人としてあの世の理に関わることになった。

 秋口、継国神社を訪れ事件に首を突っ込んでしまうが、結果的にはそれがいい方へ転んだ。以降、巌勝の私邸で世話になっているようで、学校にも通わせて貰っている。

 累・朱紗丸のことを知っていて、手鞠唄のあらましについても彼が継国の双子に説明をした。その後、累とは学校で再会できたようだが、朱紗丸については未だ不明。彼が願うのは、ひたすら、朱紗丸を助け出したい一心のようだが…。

 空明の側付きとだけあって、京や西日本の内情については巌勝より詳しく、金比羅の死渡が継国へやってきた際には、胡蝶姉妹に説明していた。

・金比羅・

・狛治:上弦の参・猗窩座

 金比羅の死渡の一人、狩人として生まれ変わった。あの頃と変わらず恋雪(こゆき)とは仲が良く、現世においては夫婦であるらしい。

 かつての上下関係が影響してか、巌勝に対しては礼儀正しく接し、継国へ来るのは楽しいようだ。前世は前世、現世は現世と割り切っている様子で、同じ過ちは絶対に繰り返さないと心に誓っている。

・恋雪:金比羅の舞姫。狛治の妻

 舞姫として転生した以上、前世のことは分かっていると思われるが、詳細は不明。金比羅を訪れた杏寿郎とも親しげに話し、狛治と共に現世を謳歌している。

 金比羅の舞姫は生まれ落ちた時代によって辛い宿命を背負うようだが、果たして…。

・射水・

・三条家の跡取息子:

 東日本では産屋敷一族の傘下であったようだが、息子の代になって掌を返した。

 次の会合では西日本に顔を出すことになっており、その存在は、継国の双子には思うところがある様子。特に縁壱は、彼との再会を誰より喜び望んでおり、打ち震えるほど。

 矢琶羽曰く、弓の名手で全国的にも名は知られているようだが、メディアには一切出ないという徹底ぶりで、その界隈では辛辣に書かれているそうだ。

 現時点では、射水の跡取が彼になったという話だけで、死渡なのか、神主なのか、全くの謎だ。

・出雲・

・素戔嗚尊:

 京の空明に恋文をしつこく送っている出雲関係者。詳細は不明。

 継国地方の神、継国様からは警戒されている。

・産屋敷・

・煉獄杏寿郎:大正時代の柱

 炎柱の生まれ変わりだと思われるが、死渡ではないようだ。産屋敷一族の剣士と自ら名乗り、狛治曰く、物見遊山で全国を見て回っている様子。

 彼が前世において炎柱であったことを知るのは、当時、敵方だった狛治達、鬼側のメンツの方で、彼が何故、記憶がないままあれほどの腕前を持ち得ているのかは謎。

 縁壱にとっては、彼の名を聞いたとき、ご先祖様に当たる初代炎柱・煉獄惣寿郎にこそ思いを馳せたようだが、狛治達には詳細は語られなかった。

 いつか、縁壱が、惣寿郎の子孫・杏寿郎に会い、あの日々を語り礼を告げる日は来るのだろうか…。

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